ふじメディカル指導監督医Dr.駒井の、あったかい心温まるブログです。
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やさしさに出逢う
 早春

[春よ来い、早〜く来い。]
 

四季の移ろいは、心のリズムとなって、私達の日々の生活にどっかりと根を下ろしている。

そして、とりわけ春は、「歩き始めたみよちゃん」でなくても待ち遠しい季節。

大願成就し、希望に胸ふくらむ誇らしい春、はたまた試練の時となり口唇を噛みしめて、来るべき冬を思う春。
 

 この時期、木の芽や花の蕾は、いまだ硬く、冷風にさらされてはいるが、今年もまた、入学に、就職にとにぎやかな季節がやってきた。

Y・K君彼にとってはほんとうに晴れやかな春がやって来た。
 

 今年、商業高校を卒業し、長いこと心を痛め続けてきた社会生活への足場は、某印刷会社に内定することで報われた。

私の所へ、その事を報告に来て下さったお母さんんの眼には、キラキラと涙が光っていた。

何度もお会いしたことのあるこの気丈な母親が、私に初めて見せた涙であった。

彼は幼少の頃、不幸な出来事で、一酸化炭素中毒にかかり、当時としては、奇跡的に命をとりとめたのだった。
 

 爾来十数年、頑固な頭痛としつこい痙攣発作につきまとわれ続けながら成長してきたY・K君。彼は生涯、薬と縁の切れない体になってしまっている。
 

「私のせいで・・・」K君が一緒にいない時、母親はよくそう口にしていた。そしてまた、息子は母のその言葉をきらっている、とも言っていた

いつになく大人っぽく見える今日の彼は、「発作と僕は友達さ。仲良く付き合っていくから・・」といたずらっぽく笑ってみせてくれた。

年若い彼がそんな心境に達するまでにはどれほどの苦汁を味わったことだろうか。4
つい昨日、朝の出がけにすみれが数本、庭の片隅に紫色の花を咲かせているのを見つけて、私はおどろいた。「

なんでまた、こんな時期にすみれが・・」と妻に問うたら、妻は笑いながら「においすみれ」といい、この花は、こんな寒い時期に咲くのだと教えてくれた。

もう間もなく土手の桜もほころび始めることだろう。桜は春の代名詞、だが、すべてにあらず。


花をのみ、待つらむらむ人に

山里の

雪間の草の春をみせばや

(藤原家隆、 歌集より)


それぞれに、それぞれの春があり、それぞれの春の迎え方があるのだ。

| 10:51 | 診療室の窓から | comments(0) | trackbacks(0) |
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